内科医キューピーのつぶやき

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RICE処置について

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キューピーです。

 

RICE処置とは、四肢の外傷の際の応急処置の方法になります。

 

特に打撲、捻挫、肉離れ等の応急処置として重要です。 

 

※この記事の内容が原因で生じたいかなる不利益にも責任は負いかねます。

 

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目次

 

 

【参考文献】

 

【打撲】

①基本事項

・いわゆる"打ち身"で医療用語では"挫傷"が正確な表現となります。

体幹部では臓器損傷等も考慮しますが、四肢の打撲が致命傷になることは稀です。

・高エネルギー外傷では、骨折がなくても高度腫脹でコンパートメント症候群に至ることもあり、注意が必要です。

 

②診断と初期治療

・初期には皮下出血間質浮腫による患部腫脹を認めます。

進行してコンパートメント症候群となると神経症状(5P)や筋伸展時痛を認めます。

・基本的には骨折や捻挫ではないことを確認して、打撲の診断となります。

・治療はRICE処置になります。必要に応じてNSAIDs処方も可能です。

 

【捻挫】

①基本事項

・関節に力が加わり生じる外傷のうち、骨折や脱臼を除いたものを指します。

・具体的には靱帯軟骨の外傷を指します。

※時に"骨折や脱臼を伴わない靱帯損傷"を捻挫と定義することもあります。

・骨と骨は関節包によって連結されていますが、関節包の線維成分が一部束状に肥厚したものが靱帯です。

・関節包とは独立した靱帯(例:膝の十字靱帯)も存在します。

靱帯は関節の可動を制動する役割を持ちます。

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落合慈之ら:整形外科疾患ビジュアルブック.P8.学研.2013より

 

②診断

(特に関節に生理的可動域を超えた運動が強制された)外傷により、関節局所の疼痛/圧痛や腫脹を認めるものの、単純XPで骨折を認めない場合に疑います。

・単純XPで関節近傍の微小骨片が認められる場合には、靱帯付着部の剥離骨折であり、靱帯損傷と同等に扱います。

圧痛部位:以下に代表的な関節における確認すべき圧痛部位を示します。

-手指関節:関節の両側面、背側、掌側の4点。内外反強制で疼痛が増強します。

-肘関節:上腕骨内/外側上顆、橈骨頭の3点。

-足関節:腓骨外果の前下方(前距腓靱帯)/下方(踵腓靱帯)/後方(後距腓靱帯)、内果下方(三角靱帯)、二分靱帯付着部、第5中足骨基部の6点。

※二分靱帯の圧痛部位は前距腓靱帯より前下方にあります。

-膝関節:関節の内/外側の2点。内外反強制で疼痛が増強します。

※前/後十字靱帯の圧痛部位はなく、前/後方引き出しテストで不安定性を確認します。

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「足関節捻挫」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる

・正確な診断のためにMRIも検討されますが、初療時はまず必要ないと考えます。

・多くの捻挫では受傷後1-2か月で疼痛が改善し、日常生活への支障がなくなります。

 

③初期治療

・初期治療の原則はRICE処置になります。

シーネ固定は重症度等で決定しますが、非専門医であれば全例固定を行い、翌日の整形外科受診につなげば間違いないと思われます。

 

【肉離れ】

①基本事項

筋肉が伸展された状態で収縮した際に、部分断裂を生じたものです。

・典型的にはふくらはぎの内側中央上部(腓腹筋)に疼痛が生じて発症します。

・その他に大腿(前面:大腿四頭筋/後面:ハムストリング)に生じることもあります。

 

②診断と初期治療

運動中に強い力がかかった可能性があり、典型的な部位に圧痛があれば疑います。

時に断裂部の陥凹を触れることもあります。

・荷重で疼痛が生じるため、通常の歩行は困難となります。

・余裕があれば、以下のようにストレッチで重症度を評価するとより丁寧です。

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「肉離れ」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる

・初期治療の原則はRICE処置と鎮痛薬です。

・ストレッチ時の疼痛が消失し、健側と同等になるまではスポーツは中止します。

 

【RICE処置】

①基本事項

四肢外傷の応急処置的な役割を果たします。

・目的は患部の出血、腫脹、疼痛を最小限に抑えることです。

・可能な限り、受傷から3日程度は継続するようにします。

・以下に"日本整形外科学会"作成のパンフレットを示します。

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「スポーツ外傷の応急処置」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる

 

②Rest(安静)

目的:損傷部位の不安定性による腫脹、血管/神経損傷を防ぐこと。

基本的には外固定を行います。

・外固定を行わない場合は、できるだけ患部を動かさないように指導します。

 

③Icing(冷却)

目的:組織酸素需要減少による細胞壊死予防と血流低下による出血や腫脹の軽減。

・ビニール袋に氷を入れて患部を冷却します。

感覚がなくなるまで(約10-20分)冷却したら、患部から離します

・その後皮膚温が回復したり、疼痛が再燃したら冷却します。

※保冷剤は凍傷のリスクが高いため適さないと考えられます。

 

④Compression(圧迫)

目的:圧迫により出血や腫脹を防ぐこと。

弾性包帯などで"血流障害を起こさない程度に"圧迫気味に固定します。

内出血部にガーゼやスポンジを当ててから巻くと、圧迫止血の効果が高まります。

・圧迫部の末梢の感覚障害や皮膚色変化を見逃さないように、定期的に確認します。

→異常を認めたら血流障害を考え、前回より軽めに巻きなおします。

 

⑤Elevation(挙上)

目的:血流低下による腫脹の軽減。

・患部を心臓より高い位置に保ちます。