内科医キューピーのつぶやき

医学部首席になれた勉強法や医学情報を発信したりします。

COVID-19の胸部CT所見

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キューピーです。

 

第1波ではじめてコロナ患者を見た時に、胸部CT所見にビビった記憶があります。

 

何も症状がないのに、肺にはガッツリ所見があるんですよね。

 

こういう症例をみると、無症状でも気を付けようという呼びかけの意味が分かります。

 

ということで、今回はCOVID-19の胸部CT所見について考えてみたいと思います。

 

胸部CTの一般的事項については以下の記事からどうぞ。

 

pkun.hatenablog.com

 

pkun.hatenablog.com

 

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目次

 

 

【胸部CTの適応】

・日本放射線専門医会は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する胸部CT検査の指針」を発表しており、これによると適応について次のように言及されています。

 

①レントゲンで異常影がみられ、他疾患と鑑別を要する場合
②臨床症状、地域の感染状況を鑑み、COVID-19が強く疑われ、PCR検査で確定できない場合であって、疾患の進行するリスクが高いと判断される場合
③レントゲンで異常影がみられないが、PCR検査陽性でありCTが有用な情報を与えると考えられる場合
④レントゲンの施行の有無にかかわらず、酸素化が必要な中等度以上の肺炎を疑う患者の場合

 

・僕自身も概ね上記のような認識です。②の判断はかなり難しいですが・・・。

・レントゲンで所見なし!→でも心配だから胸部CTというパターンはできる限り減らしたいところですね。

 

【胸部CT所見】

・いくつかの報告がありますが、やはり「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する胸部CT検査の指針」に記載の所見がよくまとまっていたので示します。

 

①典型的な所見(あったらコロナを疑う所見)

・初期は片側性ないし両側性の胸膜直下のすりガラス影、背側または下葉優位
・円形の多巣性のすりガラス影
・進行するとcrazy-paving patternやコンソリデーションなどの割合が増加
・器質化を反映した索状影の混在

 

②非典型的な所見(あったらコロナらしくない所見)

・すりガラス影を伴わない区域性の浸潤影
・空洞、境界明瞭な結節・腫瘤
・小葉中心性の粒状影、tree-in-bud appearance
・胸水(重症例ではみられることがある)

 

③基本的な考え方

・発症0-2日では約60%の患者は胸部CT所見を認めず、発症3-5日では約90%の患者に胸部CT所見を認めるという報告もあります。

・いずれにしても、前述のようにレントゲンやPCR検査をうまく組み合わせながら、診療を進める姿勢が重要です。

・特に発症超早期の疑いや接触者へのスクリーニング的な用い方をすると、見逃しにつながってしまう可能性があると考えられます

・従って、診療の基本ですが、検査前確率がある程度見込めるような症例に胸部CTを行っていく姿勢が重要であると考えます。

・胸部CT所見については前述のとおりですが、簡潔にまとめてみます。

 

●COVID-19の胸部CT所見簡易まとめ

・初期は胸膜直下、下葉優位に円形のすりガラス影が両側性に多発する。

・進行するとcrazy-paving patternやコンソリデーションなど所見が派手になる。

・重症例ではARDSとなり、両側の広範なすりガラス状陰影や背側のコンソリデーション、気管支透亮像や牽引性気管支拡張といった通常のARDSの所見を呈する。

・区域性のコンソリデーションや小葉中心性結節影など、いわゆる細菌性肺炎を示唆する所見はCOVID-19"らしくない"所見である。

胸水も"らしくない"所見ではあるが、重症例では認め得る

 

【実際の胸部CT画像】

①初期の画像

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新型コロナウイルス感染症肺炎 | 日本医師会 COVID-19有識者会議 より画像引用

 

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新型コロナウイルス感染症における胸部CT像の特徴 より画像引用

 

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https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200303_02.pdf より画像引用

 

②進行期の画像

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新型コロナウイルス感染症における胸部CT像の特徴 より画像引用

 

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https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200310_1.pdf より画像引用

 

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http://dcc.ncgm.go.jp/core/pdf/20200221_2.pdf より画像引用

 

 

③ARDS症例の画像

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新型コロナウイルス感染症肺炎 | 日本医師会 COVID-19有識者会議 より画像引用

 

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http://dcc.ncgm.go.jp/core/pdf/20200221_2.pdf より画像引用

 

【最後に】

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https://www.thelancet.com/journals/laninf/article/PIIS1473-3099(20)30086-4/fulltext#figures より画像引用

・上の画像はAが発症5日目、Bが発症15日目、Cが発症20日目の胸部CT所見です。

・この患者さんはCの画像を撮った10日後に亡くなったそうです。

・COVID-19の死亡例の経験がないのですが、COVID-19に関係のないARDS症例は何例か経験があります。

・ARDSって自験例ではびっくりするくらい急速に進行するんですよね。

・さっきまで普通に喋ってたのに・・・といった具合です。

・恐らくCOVID-19の重症化というのは同じようなスピードで進むのでしょう。

・そうすると、診療している医療従事者やご家族にとっては結構ショッキングなのかもしれませんね。

 

以上です。それでは。