内科医キューピーのつぶやき

医学部首席になれた勉強法や医学情報を発信したりします。

エンドポイントとは何か

この記事は2022/8/4に内容更新しました。

 

キューピーです。

 

しばしば医学論文では"エンドポイント"が議論の中心になります。

 

エンドポイントとは、一体どのような概念なのでしょうか。

 

今回は医学論文におけるエンドポイントについて勉強してみました。

 

※この記事の内容が原因で生じたいかなる不利益にも責任は負いかねます。

 

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目次

 

 

【参考文献】

 

【エンドポイントとは】

エンドポイント:仮説を検証するために最終的に統計処理の対象となるアウトカムを指します。

※日本語では"評価項目"と称されます。

アウトカム:医学論文では、臨床経過の結末(臨床転帰)を指します。

→具体例としては発症、治癒、死亡、(特定の)症状、入退院などが挙げられます。

イベント:結末だけでなく、経過途中も含めた臨床的発件事象(副作用など)を指します。

・エンドポイントはデータ収集前に設定し、その後は都合のいいように変更できません。

 

【アウトカムの種類】

・アウトカムは"客観的で計測比較可能なデータ"でなければなりません。

・特に満足感やQOLなどの抽象的な事象客観的な数値に置き換えるようにします。

→ただし、妥当性が実証されていない自家製データはできるだけ避けます。

データの種類

-計量データ:体温や白血球数など

-順位データ:病期や満足度(段階評価)など

-分類データ:発症率や男女比など

 

【真のエンドポイントと代用エンドポイント】

真のエンドポイント:臨床上のエンドポイントで死亡や発症などが含まれます。

代用エンドポイント:検査値のエンドポイントを指します。

・基本的には真のエンドポイントを重視します。

→例えば血糖値(代用エンドポイント)を厳格に管理した結果、死亡率(真のエンドポイント)が有意に増加した研究もあります(N Engl J Med 2008;358:2545-2559)。

→代用エンドポイントで良好な結果でも、臨床的に良好であるとは限らないのです。

 

【一次(主要)エンドポイントと二次(副次)エンドポイント】

一次(主要)エンドポイントは、臨床研究において仮説を検証するための主なエンドポイントです。

・臨床研究では一次エンドポイントを基準に、バイアスと偶然性を減らす介入法や追跡期間、サンプルサイズなどが設計されます。

→複数のエンドポイントに対して、妥当性と信頼性を確保することは不可能とされます。

・一次エンドポイントに関連した検査値や疾患の発症などは、研究開始前に二次エンドポイントとして設定します。

※二次エンドポイントも研究開始後に変更することはできません。

・そして研究終了後に付随的に分析し、新たな仮説提唱などに利用します。

二次エンドポイントは"おまけ"であり、バイアスや偶然性が入り込む余地が多いです。

・また、二次エンドポイントを一次エンドポイントとしてデザインし直して実施したところ、有意差を認めなかったということも少なくないようです。

→二次エンドポイントについては、大きく割り引いて読む必要があります。

 

【ハードエンドポイントとソフトエンドポイント】

ハードエンドポイント:死亡、疾患発症、血液型などのように誰が診断しても同じ結果になる項目です。

ソフトエンドポイント:入院、手術などのように適応や基準が医師や施設により異なる項目です。

・当然、後者の場合はバイアスが入り込む余地が大きいので注意が必要です。

 

【複合エンドポイント】

複合エンドポイントとは、複数の(共通点のある)エンドポイントを1つにしたものです。

→例えば心筋梗塞はその他の動脈硬化性疾患を合併しやすいですが、それらを1つのエンドポイントにまとめたりします。

・注意点として、真/代用エンドポイントやハード/ソフトエンドポイントが混在していないか各構成エンドポイントの結果にばらつきがないかなどが挙げられます。

・特にソフトエンドポイントが含まれる場合、バイアスがかなり大きくなります

→この場合、意図して情報操作も可能となるので注意が必要です。