内科医キューピーのつぶやき

医学部首席になれた勉強法や医学情報を発信したりします。

骨粗鬆症の診療

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●この記事は2020/12/19に内容更新しました。

 

キューピーです。

 

骨粗鬆症は非常に頻度の高い疾患です。

 

また、高齢化が進む日本においては今後更に診療の機会が増えると予想されます。

 

そんな骨粗鬆症の治療について、改めて考えてみました。

 

※この記事の内容が原因で生じたいかなる不利益にも責任は負いかねます。

 

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目次

 

 

【参考文献】

 

【基本事項】

・有病率に比して、治療介入されている症例が少ないと考えられています。

→実際に治療を受けている症例が3割程度という推定もあるようです。

リスク因子:高齢、女性、既往骨折、脆弱性骨折の家族歴、喫煙歴、不動など。

診断基準(日本)

以下のいずれかを満たす場合に診断します。

①骨折を認めない場合で、骨密度がYAM値≦70% or Tスコア≦-2.5の場合

②大腿骨近位部骨折 or 胸腰椎圧迫骨折以外の非外傷性(脆弱性)骨折を認め、骨密度がYAM値<80%の場合

③大腿骨近位部骨折 or 胸腰椎圧迫骨折を認め、骨粗鬆症以外の原因が除外された場合

※大腿骨近位部 or 胸腰椎以外=肋骨、骨盤、上腕骨近位部、橈骨遠位端、下腿です。

骨粗鬆症以外の原因:癌の骨転移、多発性骨髄腫などがあります。

続発性骨粗鬆症:可能な限り原疾患の治療を優先します。以下に示します。

-関節リウマチ -原発副甲状腺機能亢進症 -甲状腺機能亢進症

-Cusing症候群 -性腺機能不全 -糖尿病 -CKD

-不動性(廃用症候群など) -アルコール多飲 -胃切除後

-薬剤性(ステロイド、MTX、SSRI、抗痙攣薬、ワルファリンなど)

代謝マーカー

-診断には使えませんが、治療効果判定に有用です。

-現時点での骨代謝を反映し、骨粗鬆症の予測も可能とされています。

-プライマリーケア領域でも、簡便に測定することができます。

※一方で骨密度は過去の骨代謝の結果を反映し、測定可能施設の制限があります。

-骨形成マーカー(BAP,P1NPなど):PTH製剤の治療効果判定に用います。

-骨吸収マーカー(TRACP-5bなど):ビスホスホネート、SERM、エルデカルシトールの治療効果判定に用います。

-例示したマーカーは、いずれも日内変動が小さく、腎機能の影響も受けにくいです。

 

【薬物治療の対象】

以下のいずれかを満たす場合に薬物治療の適応となります。

骨粗鬆症と確定診断されている場合

②骨密度がYAMの70-80%で、以下のいずれかを満たす場合

⑴大腿骨近位部骨折の家族歴

⑵FRAX®の10年間の骨折確率が15%以上

→FRAX®は評価がやや煩雑であり、まずは①と②⑴を覚えると良いと思います。 

 

【ビスホスホネート製剤】

第1選択薬はビスホスホネート製剤です。

特に週1回内服のビスホスホネート製剤が推奨されます。

-処方例1:アレンドロン酸(フォサマック®︎、ボナロン®︎) 35mg 1錠1週間ごと。

-処方例2:リセドロン酸(ベネット®︎、アクトネル®︎) 17.5mg 1錠1週間ごと。

・同効薬として月1回(ボンビバ®)や年1回(リクラスト®)の注射製剤もあります。

→治療内容が他院と共有されにくく、注射忘れのリスク等のデメリットがあります。

※新たに治療開始する際は、既に他院で治療介入されていないか確認します。

・また、内服薬には1日1回内服のものもあります。

食道炎リスク回避のため、服用後30−60分は座位になるため、毎日内服は煩雑です。

・副作用に顎骨壊死があり、投与前に必ず歯科受診させ、歯科的治療を済ませます。

リスク因子(顎骨壊死):抜歯既往、口腔衛生不良、化学療法、ステロイド、糖尿病など。

禁忌:腎機能障害(CCr<30)、食道通過障害、低Ca血症、妊婦。

 

●コラム:その他の薬物治療

・ビスホスホネート製剤以外にも治療薬は数多く存在します。

・SERM、抗RANKL抗体etc...全てを理解し、正確に使い分けることは困難と考えます。

・従って今回は、使いどころの分かりやすい薬剤を示すに留めます。

 

ビタミンD製剤

ビスホスホネート製剤の投与ができない症例で検討します。

・投与例1:エディロール®カプセル 0.75μg 1Cap1×。

・投与例2:ワンアルファ®錠 0.5μg 1-2錠1×。

・エルデカルシトール(エディロール®)の方が、より有効性が高いとされています。

副作用:急性腎不全、高Ca血症、肝機能障害など。

禁忌(エディロール®のみ):妊婦、授乳婦。

・他剤との併用も可能ですが、その効果については十分なエビデンスがありません。

ビタミンD不足(25-OHビタミンD<30ng/mL)では積極的な投与を推奨する記載もあります。

 

副甲状腺ホルモン

他の薬剤が奏功しない症例や重症骨粗鬆症で検討します。

・投与例1:テリボン®皮下注用 56.5μg 週1回 医療機関で投与。

・投与例2:フォルテオ®皮下注キット 1回20μg 1日1回 自己注射。 

※テリボン®の28.2μg製剤は、自己注射可能です(週2回)。

→いずれも投与期間は24か月で、終了後は他の薬剤を開始します。

禁忌:以下のように項目が多く、非専門医にはやや使いにくい側面があります。

-以下のように骨肉腫の発生リスクの高い患者

  -骨ページェット病

  -原因不明のALP高値

  -若年者で骨端線が閉じていない患者

  -骨への影響が考えられる放射線治療歴のある患者

-高Ca血症

-原発性悪性骨腫瘍 or 転移性骨腫瘍

-骨粗鬆症以外の代謝性骨疾患

-テリパラチドに対する過敏症

-妊婦