内科医キューピーのつぶやき

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臨床研究の種類

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この記事は2022/8/3に内容更新しました。

 

キューピーです。

 

一口に臨床研究と言ってもどんな種類があり、どういった方法で行うのでしょうか?

 

今回は臨床研究の種類についてまとめてみました。

 

※この記事の内容が原因で生じたいかなる不利益にも責任は負いかねます。

 

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目次

 

 

【参考文献】

 

【臨床研究とは何か】

臨床研究:人間を対象とした研究で、その目的が患者中心であるものです。

臨床試験:臨床研究のうち、事前に作られた研究計画書に沿って人に対して介入を行う研究です。

治験臨床試験のうち、国から新薬としての承認を得るためのデータ収集を目的としたものです。

 

【研究方法】

①観察研究

研究者がデータを見て記述および解析する方法です。

仮説の提唱や検証に適しています。

・観察研究のみでは、因果関係の証明を行うことはできません。

 

②介入研究

研究者が介入して、治療などを調節して行う(比較)研究です。

仮説の検証が主な目的になります。

バイアスを減らすのに有効で、治療法をランダムに割り付けると最小限になります。

→これを"ランダム化比較試験(RCT)"と呼びます。

 

【研究デザイン】

エビデンスのピラミッド

・研究デザインには、上記のようにエビデンスの高さの優劣があるとされます。

・これを"エビデンスのピラミッド"と呼びます。

・図のように、この中に観察研究介入研究に分類されるデザインが混在しています。

 

①メタアナリシス

・メタ解析(分析)とも呼ばれます。

過去に独立して行われた複数の研究データ統合して精度を高める研究です。

・複数の研究データに対して統計学的方法を用いて、全体の傾向を解析します。

・採用する研究の妥当性も重要で、特にRCTのメタアナリシスは最もエビデンスが高いとされます。

 

②システマティック・レビュー

明確な疑問(クエスチョン)に対して、系統的で明示的な方法を用いて、適切な研究を同定、選択、評価を行なうことで作成するレビューを言います。

介入の有効性をクエスチョンとすることが多いですが、リスク因子、診断検査の正確性など他のテーマに関してもシステマティック・レビューは実施し得ます。

 

③ランダム化比較試験(RCT)

・RCT:Randomized Controlled Trialです。

・対象者をランダム治療群対照群(プラセボや無治療など)に割り付け、2群間で比較検証する前向き研究です。

・2群の特徴が等しくなり、バイアスを極力排除でき、介入研究の中でも最も妥当性が高いデザインです。

二重盲検:治療内容が研究者にも被験者にも分からないようにすることです。

→これを併用すると情報バイアスを回避でき、妥当性が一層向上します。

 

コホート研究

コホートとは、共通の特徴を持つ研究対象者の一群のことです。

※共通の特徴には年齢、疾患、リスクファクター、治療内容などが含まれます。

・最初にコホートを選択し、時間の経過とともにアウトカム発生を追跡します。

リスクファクター治療効果予後などの解析に適しています。

長所:リスク、相対リスク、絶対リスク差を計算でき、バイアスが少ないこと。

短所:時間や手間がかかること。

・RCTなどの介入研究も広義ではコホート研究ですが、狭義では観察研究のみを指します。

 

⑤症例−対照研究(case-control study)

結果(アウトカム)を起始として、時間を遡り要因の有無を解析する方法です。

長所:因果関係の発見に適しており、労力も少なく済むこと。

短所:バイアスが大きいこと(恣意的に患者を選択したり、データ欠損なども多いため)。

リスク絶対リスク差は計算できず、相対リスクオッズ比で近似します。

 

●nested case-control study

コホート研究のデータを後から別の目的で症例−対照研究として分析する方法です。

長所:検出力の強い仮説をたてられる、費用削減、仮説の検定に必要な標本数を最小化できること。

 

⑥横断研究(cross−sectional study)

一時点(一期間内)での対象者の特徴(要因やアウトカム)を分析します。

・こちらも観察研究に該当しますが、前述の研究のように縦断的ではありません

長所:短時間で研究でき、リスク、相対リスク、絶対リスク差が計算可能なこと。

短所:瞬間的なデータなので因果関係は分からないこと。

 

【研究デザインの選び方】

・クリニカルクエスチョンや仮説をたてたら、そのカテゴリーを分類します。

・そのカテゴリーごとに適切な研究デザインを選ぶと適切なデザインとなります。

※実際は時間や研究費も考慮し、可能な範囲で最も妥当性の高いデザインにします。

-診断:(罹患の疑いの高い患者を対象にした)横断研究

-予後:(初期からフォローアップしている)コホート研究

-治療・予防:ランダム化比較試験

-病因・リスクファクターコホート研究、症例−対照研究

-副作用:あらゆる種類のデザインを考慮

 

【前向き研究と後ろ向き研究】

前向き研究:現在以降の一時点から時間に沿って将来のアウトカムを調べるコホート研究です。

後ろ向き研究:症例−対照研究や過去のデータを対象とするコホート研究です。

後ろ向きコホート研究大過去の一時点から過去の一時点までを追跡するコホート研究です。データの偏りが大きくなる可能性があり、妥当性は低下します。