内科医キューピーのつぶやき

医学部首席になれた勉強法や医学情報を発信したりします。

胸部レントゲンの読み方

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キューピーです。

 

ところでなんで僕の名前はキューピーなんでしょう。

 

 

僕にも分かりません(笑)

 

さて、今回は研修医向け?自分の勉強のため?なのか分からない記事です。

 

胸部XPの読み方です。

 

ちゃんと参考文献がありますので、信用できる内容だと思います(笑)

 

 

目次

 

 

①撮影条件の確認

・通常は立位正面PA像です。

・ AP像(座位や臥位)では心胸郭比など評価が難しいので注意が必要です。

・同時に画像自体の正面性も評価します。

→椎骨の棘突起が左右の椎骨の内側端のちょうど真ん中にあるかどうかを確認します。

 

②胸郭の左右対象性の確認

・パッとみた感じの胸郭の左右差を評価します。

・左右差がある場合、結核に対する手術歴(胸郭成形術)や結核性胸膜炎の既往、その他の胸部外科手術歴を確認します。

・側弯の有無も確認します。

 

③横隔膜の高さの確認

・正常:右側は横隔膜と第10肋骨が真ん中(鎖骨中線付近)で交差し、左側は右と同じか1−2cm低い位置にあります。

※臥位の場合、正確な評価が困難となります。

・横隔膜挙上を来す病態:無気肺、肺切除後、胸郭変形、横隔神経麻痺、線維化、肥満

・横隔膜低位となる病態:気胸COPD、やせ・高身長

 

④骨軟部陰影

・骨折や溶骨(癌の転移を疑います)、皮下気腫を確認します。

・骨は肋骨だけでなく鎖骨、上腕骨、肩甲骨も確認します。

 

⑤気管偏位・縦隔気腫・傍気管線を確認

・気管偏位:通常は正中か大動脈により右に圧されています。注意点があって、正面から撮影されていない、肺切除後、側弯がある、亀背があるなどの場合は気管の位置がずれてみえますが、病的意義はありません。あくまで気管周囲に病変がある場合に異議を持ちます。

・無気肺では病側、胸水や巨大腫瘤では健側に気管が偏位します。

・縦隔気腫:高齢者、食堂裂孔ヘルニア、強皮症などでみられる食道内空気が紛らわしいことがあります。確認のためにはCTが必要です。

・傍気管支線:気管と右肺の接する場所の線。消失している場合、同部位の病変を疑います。

 

⑥気管分岐角の開大の有無

・主気管支が上向きに凸:気管分岐下リンパ節(#7)腫脹

・主気管支が下向きに凸:上葉の切除後・線維化・抗酸菌感染など

 

⑦大動脈弓、A−P  window、下行大動脈

・綺麗に追えない場合は、肺野異常影の存在を疑います。

・A−P  window突出の場合は縦隔リンパ節(#5−6)腫脹を疑います。

 

⑧肺動脈径拡大の有無

・肺動脈と交差する肋骨と比較して、明らかに径が大きければ拡大と判断します。

・拡大の仕方が外向きに凸か、比較的まっすぐかで鑑別します。

・外向きに凸:肺門リンパ節腫脹、両側(BHL)はサルコイドーシスを示唆します。

・比較的まっすぐ:肺動脈拡張と考えます。

 

⑨心陰影

・接したり、裏にある肺野病変がないか確認します。シルエットサインも確認します。

・CTR>50%の場合は両側胸水やカーリーB線を探します。

 

⑩CP angle

・両側dull:心不全や腎不全を考えます。COPDでも横隔膜平低化で認めます。

・片側dull:胸膜癒着を考えます。肺癌、中皮腫、胸膜炎など胸膜疾患が鑑別です。

 

⑪肺野陰影

・最後に肺野を確認すると、その他の部位の見逃しが少なくなります。まずは、肺野のどこに異常陰影があるか把握しましょう。

・肺尖:鎖骨の上。

・上肺野:鎖骨−前方の第2肋骨。主にS1-3。

・中肺野:第2肋骨前方−第4肋骨前方。主にS3、S6。

・下肺野:中肺野より下。主に中葉・舌区、S6以外の下葉。

・何か異常陰影があればCTでの精査が望ましいと思いますが、何となく鑑別はします。

コンソリデーション:構造物が透見できない程度の陰影。しばしばエアブロンコグラムを伴い、肺容積に影響を与えません。細菌性肺炎や肺胞内が水浸しになる病態を示唆します。

・すりガラス影:血管影が透見できる程度の薄さの陰影です。間質の炎症や肺胞に水がたまりきらない程度の貯留する病態を反映します。間質性肺炎心不全、肺胞出血、肺胞蛋白症などを示唆します。気管支拡張や横隔膜挙上を伴う場合は間質性肺炎の可能性が高くなります。

・粒状影:径5mm未満の飛び飛びの陰影です。

・結節影、腫瘤影:それぞれ5mm−3cm、3cm以上の飛び飛びの陰影です。悪性かどうかの鑑別のため空洞、スピキュラ、胸膜陥入像、石灰化などを確認します。

・無気肺:気管を引っ張り込み横隔膜を挙上させ、エアブロンコグラムを伴わない特徴があります。気管支病変を疑います。

・胸水:側面像や側臥位の方が少量でも検出はできます。量が増えると受動的に無気肺を形成します。

・カーリーB線:肺の下部、最外層に1cm程度の間隔で並ぶ水平な線。心不全(肺水腫)、急性好酸球性肺炎、サルコイドーシス、癌性リンパ管症などでみられます。

好酸球性肺炎はすりガラス影も呈するため、肺水腫と鑑別が難しいことがあります。必ずしも下肺野優位でなく、びまん性であったり、ある程度の大きさのすりガラス影・コンソリデーションが飛び飛びにみられる特徴があります。

 

参考文献