内科医キューピーのつぶやき

医学部首席になれた勉強法や医学情報を発信したりします。

院内コードブルーの際に知っておくべき対応

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●この記事は2020/09/27に内容更新しました。

 

キューピーです。

 

コードブルーがかかると一瞬で緊迫した空気になりますよね。

 

様々な病態が待ち受けていますが、心肺停止であることが多いと思います。

 

今回は心肺停止者に対するBLSやALSについてまとめていきます。

 

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目次

 

 

【参考文献】

 

【BLS】

・緊急カートや人が揃うまでは、まずはBLS(Basic Life Support)を行います。

・以下にBLSの手順を示します。

①周囲の安全を確認し、自身の感染防御(手袋・マスク、できればシールド付きマスク、状況に応じてガウン着用)を行います。

②肩を叩いて大声で呼びかけ、反応を確認します。

③反応がなければ大声で人を集めます。

④人を集めたらコードブルー要請と緊急カート、除細動器を持ってきてもらいます。

⑤頭部後屈顎先挙上で気道確保を行います。患者の口元に顔を近づけ、呼吸音や吐息を感じるか、胸郭の動きがあるかを10秒以内で確認します。同時に頸動脈も触知します。

⑥呼吸停止・死戦期呼吸や脈を触知できない場合はCPRへ移行します。

⑦CPRのポイントは以下の通りです。

-胸骨下半分を圧迫する。

-100−120回/分の速さで行う。

-成人であれば5−6cmの深さで行う。

-しっかりと胸郭が戻ってから圧迫する。

-換気用の道具がない時は胸骨圧迫のみでよい。

⑧除細動器やAEDが到着したら、すぐに装着します。除細動器については、これ自体が心電図モニターとしての役割も兼ねることになります。

⑨この頃には緊急カートや人員が揃った状態だと思われ、ALSへ移行します。

 

●コラム:正常な呼吸があった場合

・コードブルー要請や物品を依頼した後に呼吸を確認し、正常な呼吸があった場合はCPRの必要がありません。

・この場合、気道確保を行い応援を待ちます

・またBLS中に正常な呼吸や目的のある仕草が認められた場合はCPRを停止し、気道確保を行い応援を待ちます。

・なお、死線期呼吸は正常な呼吸ではないので注意します

※よく分からなければCPRを継続します。


死戦期呼吸 下顎呼吸 死ぬ間際の呼吸 agonal gasp. agonal respiretion 死直前30分前の呼吸 下顎呼吸

 

【心電図波形に応じたALS】

・BLSで反応なく、道具や人員も揃っていたらALS(Advanced Life Support)へ移行します。

・具体的には心電図モニターの波形に準じた対応となります。

・なお心電図モニターについては以下の点に注意します

-赤:右肩、黄:左肩、緑:左側腹部に装着する。

-電気ショックのパドルの邪魔にならない位置に装着する。

-誘導はⅡ誘導、感度は1倍に設定する。

-波形確認時は胸骨圧迫を一時中断する。確認したら直ちに再開する。

-asystoleが確認された場合は、以下の対応とする。

⑴直ちに胸骨圧迫を再開する。

⑵リード断線を確認、感度を1→2倍へ、誘導をⅡ→Ⅲへ変更する。

⑶胸骨圧迫を一時中断し波形を再確認する。

⑷asystoleならば波形確定とし、直ちに胸骨圧迫を再開する。

⑸誘導はⅡ誘導へ戻す。

 

①VF/pulseless VT

・波形確認されたら、まず除細動を行います。

※1. 単相性:360J 、二相性:150−200Jのメーカー推奨J数(不明時は200J)

※2. 2相性の場合、1回目不応時の2回目はJ数を上げる。

2分毎に波形を確認し、同じ波形ならその度に除細動を行います。

・波形確認2回毎(4分毎)にアドレナリン1mgを静注します。生食20mlでの後押しと10秒間の上肢挙上も忘れずに行います。心拍再開まで繰り返します。

波形確認3回目でVF/pulselessVTならばアミオダロン 300mg+5%ブドウ糖液 20mlの静注を考慮します。

※アミオダロンの2回目の投与を考慮する場合は150mgに減量します。

 

②PEA/asystole

・波形確認されたら、まずアドレナリン1mg静注を行います。生食20mlでの後押しと10秒間の上肢挙上も忘れずに行います。

2分毎に波形を確認します。同じ波形なら除細動は不要です。

・波形確認2回毎(4分毎)にアドレナリン1mgを静注します。心拍再開まで繰り返します。

 ※PEAやasystoleの場合はアミオダロンの適応はありません。

 

●コラム:除細動時の注意点

ジェルパッドを使用し、なければ体表にしっかり密着させます。

右前胸部と左側腹部に心臓をはさむように体表に垂直に当て、胸壁が少し変形する程度に力をいれて十分に密着させます。

・密着させたら、まず充電を行います。

・私、あなた(CPR施行者)、周り(バックバルブマスク含む)と確認したら、最終波形を宣言し除細動を行います。

最終波形がショック不要の波形に変わっていた場合は内部放電を行います。

・除細動のためのCPRの中断は極力10秒以内となるようにします。

パドルオンエアー(paddle on air)というパドルを空中に向けて持っている状態は、大変危険なので避けます。

※機械に装着されているか、患者さんの胸の上に置かれているかどちらかです。

 

●コラム:ALSにおける気管挿管について

バックバルブマスクで十分な換気ができない場合に考慮します。

※十分な換気ができる場合は、気管挿管固執する必要はありません。

気管挿管のタイミングは決まっておらず、準備ができ次第行います。

気管挿管時もCPRは原則として中断しません

・確認のための視診、聴診時のみ中断しますが、極力10秒以内にします。

挿管後は6秒に1回(10回/分)の換気回数とします。

 

【並行して原因検索・解除を行う】

・救命のためには原因に対する治療も必要となってきます。

・薬剤投与のためにできれば18G、無理なら極力太い針で肘にルート確保します。

・同時にルート採血動脈血液ガスも採取します。

・他に必要となりうる検査は12誘導心電図ポータブルの胸部XPエコーなどですが、基本的にはこれまで述べてきた救命措置を第一として、バイタルが安定してから行うこととなります。

・ALSにおけるABCDの考え方を元に原因解除を図ります。

-Airway:気道確保できていない場合は経鼻・経口エアウェイや気管挿管を行います。

-Breath:必要に応じて酸素投与を行います。

-Circulation:細胞外液を全開投与します。昇圧薬併用も考慮します。

※sBP≦70mmHg:ノルアドレナリン0.1γ、sBP 70-90mmHg:ドパミン5γなど。

-Diagnosis/DNR:周囲の人やカルテなどから情報収集します。DNRの場合は延命措置についてどういった約束になっているのかを確認します。

 

【6H6T】

PEAやasystoleの場合は、このゴロが原因検索に有用とされています。

・病歴や頸静脈怒張、血ガスなどから少しでも鑑別を図りましょう。

H

-Hypovolemia:循環血液量減少

-Hypoxia:低酸素血症

-H  ion:アシドーシス

-Hypo/Hyperkalemia:低/高K血症

-Hypothermia:低体温

-Hypo/Hyperglycemia:低/高血糖

 

T

-Tension  pneumothorax:緊張性気胸

-Tamponade:心タンポナーデ

-Thrombosis  pulmonary:肺塞栓

-Thrombosis  coronary:心筋梗塞

-Toxins:毒物

-Trauma:外傷